The Sun also Rises.

主に海外ネタ、国際政治、中国語、英語、心理学/精神医学について書いていきます。

没法子(メイファーズ)

ニイタカヤマ、ノボレ」のニイタカヤマは台湾の玉山という山のことでした。お世話になっている92歳のご老人とお茶をしながら話をしていたら、昔は日本最高峰の山は富士山ではなく台湾の新高山だったんだと聞いて驚いてしまいました。戦前生まれの方にとって日本は現在の日本列島ではなく、もっと広く、日本人という意識も現在のような排他的なものではなかったように感じました。多様性のあるアイデンティティだったみたいです。話していて驚くことばかり。中国戦線で死線を彷徨った話から異文化交流の話、国際政治、軍事など話が尽きません。外国の話題になると話が弾みすぎて2時間くらい話してしまいます。

1年かけてさまざまな話をした中で一番印象に残っている話は、世界で一番美しい言葉は中国語の没法子(メイファーズ)なんだと力説していたこと。この言葉 は、「すべてを尽くしてもうやることはない。後は天に任せるだけだ。」というような「しょうがない」に近いニュアンスを持った言葉。御仁は戦場でよく聞いた言葉だと言って、「あれが本当に美しい言葉だ」と呟いていたのが非常に印象的でした。

 

赤塚不二夫 が『天才バカボン』の中でバカボンのパパに言わせた「これでいいのだ」も赤塚自身が中国瀋陽で中国人が没法子とよく言っていたのを聞いたことが元になって生まれた言葉のようです。日本語の「しょうがない」とはちょっと違う、すべてを受け入れた言葉。これから困った時はメイファーズを使うようにしようかな。

メイファーズ、これでいいのだ。