The Sun also Rises.

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セクハラヤジ騒動についての雑感

「セクハラヤジ騒動」が一段落したので自分の見解を書いておくとセクハラヤジについてはかなり問題があると思いますし、ヤジを行った議員はそれなりのペナルティを課されるべきだと思います。

しかし、ヤジを行った議員の「吊し上げ」を始めたマスコミや国民を見ていて思ったことは、おそらく戦前から戦後まで日本の考え方にはあまり大きな変化がなかったのだろうなということです。戦前は、軍国主義に反対する人を「非国民」として吊し上げ、戦後は手のひらを返したかのように軍国主義者とレッテルを貼られた人を吊るしあげました。実のところ、日本社会はこれとあまり変わっていないように思います。日本社会が仮に再び軍国主義を礼賛するようになったら、 現在の「セクハラヤジ」で吊し上げになったようなことが、そのまま戦争反対と言う人に向かってくると思うんですね。

私刑の「吊し上げ」に歯止めをかけるために行政によるルールや法律があるわけですが、今回の「セクハラヤジ騒動」のおいてはヤジのルール作りやヤジに対するペナルティなどに話が行かなかったのを見ると政治の世界でもマスコミでも庶民でも「吊し上げ」を都合よく使いたいのかなと思ってしまいました。ある意味、「吊し上げ」こそ日本文化 と言えるかもしれません。差別を撲滅するよりも差別を社会の中で多様性の理解という形で許容するシステムにした方が将来の日本社会にとって良い方向に行くと思います。