The Sun also Rises.

主に海外ネタ、国際政治、中国語、英語、心理学/精神医学について書いていきます。

面白かったTED Talks (1)

(1)「なぜ過去に自分が決断したことを後で悔やんでしまうのか」

 

このTED Talksも興味深かったです。今回は「なぜ過去に自分が決断したことを後で悔やんでしまうのか」というテーマを心理学の視点で約7分に凝縮して説明しています。

所要時間6分50秒。

 

(映像を観るためには右端にあるDownloadをクリックして字幕を日本語にセッティングするとスムーズに観られます。)

 

ダン・ギルバート: 未来の自分に対する心理 | Talk Video | TED.com


自分が若い時に決め、実際将来その通りになったにもかかわらず過去の自分の決断を悔やんでしまうのは時間が鍵になっているそうです。時間の経過とともに自 分の価値観、好き嫌い、性格も同時に変わっていってしまうので過去の自分の下した決断に悔やんでしまう、と。過去の自分の決断は「その時」の自分が決めたことであり、そこから時間が経過するとともに「自分」も変わってしまう。過去のことは覚えているが、未来を予測することは非常に難しい。

このTED Talksを見て、何か大きな決断をする時はある程度年数が経った時点で自分の決断や計画を見直し修正していく必要があるのかもしれないなと感慨深く思ってしまいました。やはりミッションステイトメント自体の見直しも必要ということかな。

 

(2)「なぜ優れたリーダーの下には自ら貢献しようとする人が集まるのか」

 

今回のTED Talksも非常に興味深かったです。今回は「なぜ優れたリーダーの下には自ら貢献しようとする人が集まるのか」というテーマでした。

 

所要時間 11分59秒。

 

サイモン・シネック: なぜ優れたリーダーの元では安心を感じられるのか | Talk Video | TED.com


プレゼンが非常に上手く聞いていてぐいぐい飲み込まれていったスピーチで、話し手が自分の理想とす るリーダー像を熱く語る姿が印象的でした。ドラッカーの思い描く理想的なリーダー像、あるいはかつての日本企業の経営方針に酷似しているようにも感じられ ました。現在のアメリカでは終身雇用が見直されつつあり、日本ではアメリカ型経営が全盛期。皮肉ですね。

内容は、人が組織に貢献して働くのは報酬があるからではなく、リーダーが自分を犠牲にして安心感を与えるからで、そのリーダーの決断に人は組織を信頼し自ら貢献しようと行動するようになるというものでした。原始時代、脅威に満ち溢れた外的環境に備えるために信頼と協力に基づき社会を構成した。それは現代でも同じで、外的環境が景 気変動や技術革新による既存技術の陳腐化などに変わっただけで組織で身を守ることについては原始時代と同じことが言える。その組織をマネジメントするため にはリーダーが必要。グループの安全と生活を守ることを優先するリーダーには従業員が組織を信頼し自ら貢献するようになる、と。偉大なリーダは従業員を犠 牲にして利益をあげようとはしない。多くの経営者は「リーダー」ではなく命令するだけの「権威」に成り下がっている。リーダーが従業員のために犠牲を払え ば、従業員もその犠牲に応えてくれる。皆さんもそんな会社で働きたいですよね、と締めくくられていました。