The Sun also Rises.

主に海外ネタ、国際政治、中国語、英語、心理学/精神医学について書いていきます。

「中国人」の実像

日本で語られる中国人は、中国語を話し中華思想を持つ民族というかなり大雑把なイメージを持たれている方が多いと思いますが、実際の中国人にはかなり多様性があり、十把一絡げに「中国人」とは言いがたい状況なんですね。例えば、中国の標準語(普通話)は北京語。北京語が話せないと中国各地の人々と会話ができないんです。中国の各都市や省には、それぞれの方言がありそれぞれの方言同士で会話をしても中国人同士意思疎通できないのが当たり前。上海人は上海語、広東人は広東語、南京は南京語、重慶は四川語、福建省は福建語、台湾は台湾語(福建語の亜種)などお互い何となくわかったりわからなかったりするようです。南京出身の先生に他の地域の中国人が何を言っているのかわかるかどうか聞いたところ、全然わからないと答えていました。特に広東語は、広東語圏以外の人にとってはまったくわからないと広東人の友人と広東省で働く甘粛省の知人から聞いています。お互いコミュニケーションを取るために北京語を標準語として使用しています。

 

中国の文化が関西の文化に似ていると思い、実際に中国人の方々に質問してみた中で中国を表すなかなか面白いコメントがあったので紹介します。

 

中国は広いので、地域によって性格が変わっているんです。だから、総じていえば(中国人が関西人と似ていると言うのは)かなり難しいですね。大学は別の都市で、外国のように感じています。方言もわからないし、習慣や考え方も違っています。個人的には関西が大好きですよ。  

 

このように中国人といっても方言や文化が違い、一歩自分の街を出れば外国と同じという感覚を中国人自身が持っているのかな。中国国内に多様性があり自分の街の外に行く感覚と外国に行く感覚が似ているので外国で違和感なく生活ができるのではないのではないでしょうか。多様性があることは、裏返すと差別もあることを意味するので中国人自身が多様性に慣れているのもまた中国の強みの1つなんでしょうね。

 

中国語の表現に以下の文章がありますが、まだまだ中国語が不慣れなもので実際にイメージを正確に捉えているかわかりませんが、面白い表現だなと思い紹介します。

 

我进城市买东西。

 

中国語で「街に買い物に行く」という意味です。进は「入る」というニュアンス。この文章のイメージは、城壁に囲まれた街(城市)をくぐり抜け買い物に行くようなものなのかはわかりませんが、城壁の外は外国。これが中国人の世界観なんだろうなと想像をめぐらしてしまいました。