学習性無力についての雑感
困難な状況に置かれた時、自分の力でその困難を克服することができれば、自己効力感が得られるのですが、自分でコントロールできない状況に置かれると、人はその状況下で何をやってもダメだという無力感を学習してしまい、次に新たに何かを行う時には、何でも無気力になってしまう心理学的現象を学習性無力と言います。これは自分でコントロールできないような困難な状況、例えば営業、学習、生活全般においてどのような状況に置かれても陥ってしまいます。
無気力を回避する方法は、あらゆることをデータに取りその中で自分の行なった結果が良い結果ならどれでも抜き出し、それに焦点を当てること。例えば営業活動において毎日断られる日が続いても、相手の表情を記録して自分が接した結果、相手が笑顔だった数を記録するなどして、どの程度多くなったのかをデータとして見るというものです。成果は経済状況や時の運などにより結果が変わるので、自分でコントロールできる要素があまりありません。それ故、そこに焦点を当てると、学習性無力が発動してしまう可能性があります。データに表れやすく自分がコントロールできるものにフォーカスを当てると、自分が行動した成果がわかり自己効力感が得られ心が折れにくくなります。
もう少し学習性無力に関してリサーチしていこうと思っています。くれぐれも成績や給料に焦点を当てないようにしてください。確実に心が折れます。つまり成果主義における成果にフォーカスするよりも、過程にフォーカスしたほうが良い結果が得られやすいということが心理学の見地から言えることです。
挑戦し続けられる人は、おそらく成果にフォーカスをしていないんだろうなと思います。それよりも自分独自の視点で自分の成長をデータに取り続け、モチベーションを高く維持しているのかなと推測しています。
無気力なのにはワケがある―心理学が導く克服のヒント (NHK出版新書 416)
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